Yuutsuna’s blog

日々の勉強のアウトプット

【読書メモ】『「自分の意見」ってどうつくるの?』

今回は『「自分の意見」ってどうつくるの?』という本を読んでみました。

読書メモとして残しておこうと思います。

概要

会議や話し合い、グループディスカッションなどで、

  • 何を言えばいいのかわからない
  • 当たり前のことしか浮かばない
  • 他の人のコメントと同じだなんて言いづらい

のようなことで悩んでいる人たちに対して、フランス在住の哲学講師である著者が「フランス式思考法」を紹介する本。

印象に残ったこと

本書では、日本人とフランス人の考え方を比較しながら「フランス式思考法」が紹介されている。 その中で、フランス人とのエピソードを読んで印象に残った点をいくつか抜粋する。

一つは、フランス人の食事に関するエピソードについて。 フランス人は、ディナーは5時間かけることも珍しくなく、ディナーは「食事の時間」ではなく、「議論の時間」であるという。 日本での食事の時間は、仕事の会食でもない限りは、団欒の場だと私は思ってるので、文化が全然違うことに驚いた。

次に、著者がフランス留学して間もない頃のエピソード。 著者は、フランス人から以下のようなことを質問されることが多かったという。

  • 日本人はどうして原発に反対しないの?
  • 日本の領土問題について日本人はどう思っている?
  • 日本の会社員はどうして休みが少ないの?

日本だと、原発や領土問題といった政治的要素が強いジャンルや、休みが少ないなどの日本人会社員の常識となっているようなことは、あまり話をしないので、自分の考えをパッと言える人は少ないと思われる。 著者も自分の考えというより、メディアで見聞きした内容を答えたそうだが、回答を聞いたフランス人からは不満気だったという。

これらのエピソードでもあるように、フランスでは、テーマにタブーなどもなく、さまざまな人の意見を聞き、受け入れ、考えの違いを楽しむ傾向が強いとのこと。 空気を読み、正しく的確な考えが求められる日本の文化ではこうはならないと思い、改めて文化の違いの面白さを感じた。

コメント

本書では、フランスでのエピソードを踏まえて、タイトル通り「自分の意見」の作り方を紹介している。 しかし、個人的にはフランス人エピソードから読み取れる「考えること」に対する考え方が最も大事なことに感じた。 「偉い人が考えてるから、そうに違いない」と自分で考えることをしない、違う考えを持つことを怖がるようなことをせず、「一人一人考えることが違って当然」ということを基本スタンスにできれば、楽しく成長できると思った。 また、これまで日本人以外の考え方を能動的に学びに行ったことがないので、ここも興味の範囲に入れると面白いかもしれない。